に投稿

【状況別】お酢は朝・夜どっちにとるのが良いの?

 

「お酢が身体に良い」と言うイメージはありますが、ではお酢をとるタイミングは何か関係あるのでしょうか。そんな素朴な疑問にお応えするべく、お酢の伝道師marie・管理栄養士がいろいろ調べてみました。大きくダイエットする時と運動する時に分けて解説していきます。

【ダイエット編】酢をとるタイミングは朝・夜どっちが良いのか

結論的には、酢をとるタイミングとダイエットに関する研究報告はなさそうです。よって、そこまで厳密にこだわらなくても良いでしょう。またお酢に含まれる酢酸が食欲をそそる可能性があるという面から考えると食後が良いかもしれませんが、下記からもそこまで意識する必要はないのではないかと考えます。

酢酸が食欲増進に関与するハナシ

お酢は食欲増進作用があるとよく聞きますが、実はヒト研究が少なくラットやin vitro研究が多く、直接的ではないのが事実です。一つ関連する研究を記載しますが、こちらでもヒト研究は十分ではないとの記載があります。それを大前提にご紹介します。

酢に含まれる短鎖脂肪酸の一種である酢酸は、アセテート(酢酸+セルロース)が腸ホルモンの分泌を介してエネルギーや代謝に影響を与え、全身の脂肪分解の減少を介して食欲に影響を与えるという実証はされているそうです。その実証をもとにした研究において、アセテートは結腸での GLP-1 と PYY の分泌を促す可能性があり、体重コントロールにも影響する可能性があると示唆されています。

・参考:2019 Aug 18;11(8):1943. doi: 10.3390/nu11081943.

一方、料理に塩分のないお酢を使い塩分の使用量を抑えることは可能です。塩分のとりすぎはむくみの原因にもつながることからダイエットにおいて避けたい栄養素の一つでもあります。例えば、野菜の醤油炒めにお酢を使うと、いつもの醤油の量を減らしても美味しくいただけるでしょう。一般的に家庭で使用されている濃口醤油には塩分が大さじ1杯15g中2.2g含まれています。

以上のことから、お酢を利用してダイエットにつなげられるだろうと考えられます。

 

【運動編】酢をとるタイミングは朝・夜どっちが良いのか

結論的にはこちらも、お酢をとるタイミングと運動に関する研究報告はなさそうです。

そもそもよく「運動中には酸を取ろう」といわれますがなぜでしょうか。エネルギー源であるATPをつくる工程でもあるクエン酸回路に関係するクエン酸や酢酸などを摂り、運動中でもATP産生を促すためと考えられます。

一方で、よくアスリートが運動中に運動関連筋肉痙攣における予防・緩和のために使用する商品に含まれている酢酸含有量を調べる研究がありました。その研究によると、比較商品13種類のうち、イエローマスタード、甘いレリッシュ、すべてのピクルスジュース、およびピクルスジュース製品の4つには、適度な量の酢酸が含まれていたそうです。※pHと酵素分析または分光分析による結果

 

比較商品13種類
ディルと甘いピクルス ジュース、イエロー マスタード、甘いレリッシュ、アップル サイダー ビネガー、ホット ショット、PJ ショット、PJ スポーツ、E-ライト スポーツ、パワーエイド、ゲータレード、 Smartwater、および Propel

・参考:2020 Jun;34(6):1539-1546. doi: 10.1519/JSC.0000000000003595.

 

以上から運動中に酢酸を摂る意味はあると考えられます。

 

【結論】結局、お酢のとるタイミングは?

以上のことからお酢をとるタイミングよりも、お酢の摂取に意味があると考えます。さらに言うと、お酢ではなくてお酢に含まれている酢酸がお酢特有の酸味を誘発したり、運動関連筋肉痙攣に関連したりしているのです。一方で、お酢が身体に良いと言っても取り過ぎは不健康の元です。アルコールも若干含まれていますのでそのこともお忘れなく。

適度なお酢ライフで健康キレイになりましょう!

 

 

 

 

【参考】
・厚生労働省|e-ヘルスネット|有酸素性エネルギー代謝
・文部科学省|日本食品標準成分表2020年版(八訂)