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お酢は胃に悪い?それとも胃に優しい?本当のことを解説します!

 

「お酢は胃に悪い」といわれたり、「お酢は胃に優しい」といわれたり…一体どちらが本当なのか気になりませんか?そこで今回は、「お酢は胃に悪い」もしくは「お酢は胃に優しい」といわれている理由と、筆者の考察含む結論を解説していきます。

お酢は胃に悪いといわれている理由

お酢におけるpHの低さが食道や胃を荒らしてしまう原因と考えられています。食酢はpH2〜4のものが多く、中性を7と考えるとpHは低く酸性を来します。実際に、飲むお酢が流行った時に逆流性食道炎患者が増えたという声も少なくなさそうです。

また、どれだけのお酢の取り過ぎが影響を与えるかに関する研究はありませんが、マウス研究において60%酢酸で胃潰瘍を誘発する報告がされています。

我が国において醸造酢として販売できる酸度は決まっており4.0%以上が条件です。酸度は酢酸濃度にも関連しており、一般的な食酢の酢酸濃度は4%台とされています。また実際の商品を見てみると高いものでも酸度が5%、たまに6%、7%のものがあります。

食酢程度の酢酸濃度では胃潰瘍まではいかないものの、かつマウス研究であることから、ヒトに対する影響の研究をする必要がありますが、飲み過ぎには注意した方が良さそうです。

 

お酢は胃腸に優しいといわれている理由

お酢の成分である短鎖脂肪酸の酢酸が胃腸に及ぼす良い影響が理由だと考えられます。

ある研究において、短鎖脂肪酸の糞便中濃度が低いほど結腸直腸癌のリスクや発生率が高くなるという報告がされています。

17の症例対象研究と6つの横断研究において、糞便中の短鎖脂肪酸濃度と結腸直腸癌の発生率及びリスクとの関連性を調べた分析研究を行いました。

すると、①大腸癌リスクが高い方では短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸)の濃度が有意に低かった、②結腸直腸癌の発生率は健康な方と比較した際に短鎖脂肪酸濃度が低い個人で高かったなどという結果が出ました。

参照:Short-chain fatty acid concentrations in the incidence and risk-stratification of colorectal cancer: a systematic review and meta-analysis

 

結論:考察

適度なお酢の摂取は、お酢に含まれている酢酸の恩恵に預かることができると考えます。飲むお酢を使用する場合はカロリーや糖質に注意しながら、お酢を飲む場合は水で5〜10倍に薄めて飲みましょう。

また食事中にお酢料理を使うとわざわざ飲まなくてもお酢を摂取できます。料理にお酢を使用する際は他の調味料と混ぜたり、食材に味を浸透させたりするので、通常の料理に使用する程度であれば大丈夫だと考えます。

 

【参考】
名古屋市消費生活センター|食酢|https://www.seikatsu.city.nagoya.jp/files/anzen/file/syokusu.pdf
全国食酢協会中央会 全国食酢公正取引協議会|醸造酢の日本農林規格|http://www.shokusu.org/rules/kikaku.html