
お酢を調理で使った時に、お酢のよさである酸味が強すぎたり、弱すぎたりして困ったことはありませんか。実は、お酢の酸味は調理の加熱温度で異なります。その理由やお酢の酸味を料理に残す方法をご紹介します。
酢を加熱する温度で料理の酸味が変わる
酢酸の沸点は水よりも高く、118度以上とされています。そのため、118度を超える調理法で酸味が揮発してしまいます。例えば揚げる、オーブンで焼くような調理法です。
酢を加熱すると酸味が揮発する理由
ではなぜ、お酢は加熱によって酸味が揮発してしまうのでしょうか。少し難しくなりますが、酸の香りは水素イオンです。お酢の分子には完全型と乖離型(水素イオンが遊離している)が存在します。加熱によって揮発性の完全型が飛んでしまい、調理中に酸を強く感じます。そして調理後の料理には、完全型の分子量が減っているので酸をあまり感じなくなるのです。
酢の酸味を料理に残したい場合
では加熱調理する料理に酸味を残すためにはどうすればよいでしょうか。
最後に酢をかける
調理中に揮発したお酢を補うため、最後にお酢をかけます。湯気でも揮発する可能性があるので、加熱調理をすると思った以上に酸味が飛んでしまうのです。最後に回しかける方法が、お酢の酸味を楽しめて、さらに風味まで楽しめる簡単な方法です。
酸性食品を使用する
お酢の分子は、食品によって完全型と乖離型の割合が異なります。そのため、完全型が多く含まれている酸性食品を使用するのも一つの方法です。例えば酒石酸を含むワイン酢が挙げられます。ワイン酢は、ワインビネガーやブドウ酢ともいわれています。ぶどう独特の香りが楽しめるのも特徴的です。
酢の酸味は加熱温度で調整できる!
お酢は、伝統製法で本当に醸されている製品であれば酸味だけではなく風味も楽しめます。せっかくのお酢の特徴をなくさずにお酢料理を楽しむためにも、ぜひご紹介した方法をお試しくださいませ。
お酢を使った加熱料理レシピは下記でご紹介しています。

もやしのナムル風

ごまさばの甘酢あんかけ

【参考】
・マギーキッチンサイエンス