
最近多くなっているといわれている「食物アレルギー」。アレルギー反応が出る量や程度は個人差が大きいです。表示が義務化されている原材料ではない食物にも反応する場合があり、その一つにお酢も挙げられます。なぜお酢でアレルギー反応が出るのか、食物アレルギーの表示について、対策法などご紹介していきます。
なぜお酢でアレルギー反応が出るのか
お酢にはいくつか種類にあり、その種類によって使用される原料が異なります。穀物酢の定義がベースとなり米酢や黒酢、果実酢の定義が決まっています。そのため、お酢全般に使用されていると考えられる原料と種類によって配合される原料に気をつけましょう。下記表で一覧にしました。
お酢の種類 | 原料 |
穀物酢 | 米、小麦、コーン、アルコール、酒かす、蜂蜜、砂糖類 |
黒酢 | 上記+玄米 |
果実酢 | 上記+果実(りんご酢ならりんご、ぶどう酢ならぶどう) |
気をつけたいのが、①小麦アレルギーの方が同じ穀類という意味で米やコーンにも反応してしまう可能性もある、②該当製品に使用されていなくてもアレルゲン物質を同じ製造現場で使用していたらそのアレルゲン物質に反応してしまう可能性もあることです。②の場合は表示義務ではなく、注意喚起表示となっています。
なぜお酢は表示義務がない?
まず食物アレルギーとは、原因物質が体内に入った時に異物と認識して過剰な反応を引き起こす状態を言います。アレルギー表示管轄である消費者庁によると、過去の健康危害などの程度や頻度を考慮して、表示義務を定めているのです。
表示の義務 | 理由 | |
表示義務 | 発症数・重篤度が高い | 特定原材料7品目 卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かに |
表示推奨 | 継続して相当数いるとみられるが特定原材料と比較して少ない | 推奨原材料21品目 アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、 豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン |
注意したい加工品
加工品の場合、お酢の種類ではなく「醸造酢」と記載されている場合があります。醸造酢だと、上記に挙げた穀物酢・黒酢・果実酢全てを含む意味になります。メーカーに問い合わせするか、別のものを購入するかで対応しましょう。
お酢でアレルギー反応が出る場合の代替品
料理に酸味を足したい時にはレモンやオレンジ、グレープフルーツなどを使用します。さらに旨味・甘味を足したい時には出汁や本みりん、料理酒、米麹甘酒をうまく活用しましょう。
お酢の種類別原料を理解して、アレルギーを気にせずに食卓を楽しもう!
お酢に限らず食物アレルギーがあると「Aを食べてはいけない」という考え方に縛られがちですが、「Aは入っていないかチェックして、代わりにBを楽しもう!」と前向きな考え方にシフトできると良いですね。お酢アレルギーの場合の食べ方もお伝えしているので、ぜひ楽しい食卓づくりにお役立てください。
【参考】
消費者庁|食物アレルギー表示に関する情報|https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_sanitation/allergy/