
「お酢は酸っぱいだけ」と思っていませんか?こだわりを持って造られたお酢は旨味の中に酸味を感じる味わいです。では何が、その旨味の違いを出しているのでしょうか。旨味のあるお酢の見分け方やレシピをご紹介していきます。
お酢の種類と規定
まずお酢にはJAS法で定められた4つの種類に分けられます。簡単にお酢の種類と規定を下記に示します。お酢の種類によって主に使用される原料は異なるため、米・穀物・玄米・果実の違いで旨味の感じ方が異なります。
酢の種類 | 規定 |
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穀物酢 | 規定内にて穀物とされる穀物の使用量が醸造酢1Lにつき40g以上のもの |
米酢 | 穀物酢の内、米の使用量が醸造酢1Lにつき40g以上のもの |
米黒酢 | 穀物酢の内、玄米又は小麦or大麦を加えたもののみを使用かつ、米の使用量が醸造酢1Lにつき180g以上のものであり、かつ、発酵・熟成で褐色もしくは黒褐色に着色したもの |
果実酢 | 穀物酢の内、規定内にて定められる果実搾汁が醸造酢1Lにつき300g以上のもの |
同じ米酢なのに、使用している原料が異なるのはなぜ?
ここでこだわりのお酢を使用している方は気付かれると思いますが、同じ「米酢」のはずなのに原料が米だけのものや、米・アルコールのものがあります。おそらく後者の方が安価で手に入る米酢でしょう。醸造用アルコールを使用して米量を少なく米酢を造っているお酢なので、アルコールと書かれているのです。同じ米酢でも、風味や味わいが全く別物のように異なります。黒酢や果実酢なども理由があって、原料が異なります。これが旨味が異なる理由の2つ目です。
旨味があるのはどっち?静置発酵と深部発酵の違い
伝統製法と言われるのが静置発酵で、2〜3ヶ月発酵させて造られているお酢です。一方、1日でできるお酢が深部発酵で造られています。長く発酵されている間に微生物の働きによって米のたんぱく質が分解されて旨味を醸してくれるのです。
蔵元の違いでなぜ旨味が変わるの?
蔵元が造る伝統製法のお酢は、全く味わいが異なります。なぜなら、蔵に住み着いている微生物の量や種類が異なるためです。お酢というと酢酸菌だけ必要と思われるかもしれませんが、まずアルコールを造る酵母が関わっているのと、空気中や壺・木桶に存在している乳酸菌も味わいに影響してくるのです。
旨味があるお酢の使い方
旨味があるお酢、つまり静置発酵されたお酢はまず、あなたの好みのお酢と巡り合うことが大切です。前述の通り、伝統製法のお酢は味わいが全く異なるため好みの合う・合わないはあります。まずは「このお酢好き!」と心から言えるお酢と出会いましょう。その上で、伝統製法のお酢を使ったレシピにチャレンジしてみてくださいね。
旨味があるお酢でいつもの料理が劇的に美味しくなる
調味料は必ず料理に必要な存在です。少ししか使わなくても、完成する料理の味を劇的に変えるのが調味料の凄さです。なので、調味料、お酢を変えるだけで、今までの料理が劇的に美味しくなります。騙されたと思って、ぜひ堪能くださいませ。